「日本」ってどんな国? ―国際比較データで社会が見えてくる 本田由紀

本田由紀著『「日本」ってどんな国? ―国際比較データで社会が見えてくる』読了。
日本社会の諸問題を多岐に渡るテーマ(家族、ジェンダー、学校、友だち、経済・仕事、政治・社会運動、「日本」と「自分」)に分け、国際比較データを用いて説明している。

 

本書は第1章から第7章までありテーマが多岐に渡るにも関わらず、各章に必ず出て来るワードがある(日本、問題、社会など当たり前なのは除く)。
そのワードは『政府』です。
日本がこのような情けない現状になったのは、政府の不作為によると本田氏は言いたい。

 

 あと、本書で僕が一番ビビッと来た文章の一節は、『何かを自明視することは危険です。その問題点に気づかれにくくなるからです。(第3章 学校)』ですかね。だからこその国際比較データ、客観的に外の世界を見て、自分と社会を顧みることが大切だと思いました。

 

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批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く  北村紗衣

北村紗衣著『批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く 』読了。章が進むにつれて、著者のグイグイ感とユーモアが増して行き、一気に読んだ。精読、分析大事。批評って楽しそうだなって思った。
ただ本書の副題『チョウのように~』が、どうも僕にはしっくり来ませんでした。

 

読書、映画鑑賞と批評を、作者と読者、鑑賞者のボクシングに例えるなら、僕はアリよりロッキースタイルだな。
But it ain't about how hard you hit.
It's about how hard you can get hit and keep moving forward.
How much you can take and keep moving forward.(ロッキーザファイナル)

 

作者はトリッキーなフットワークでフェイントをかまして、強力なパンチを打ち込んで来る。
読者、鑑賞者はどれだけ強く打ちのめされても、それでも前に進み続ける(読み進める)。精読と分析の作法を用いて。

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ケアの倫理とエンパワメント  小川公代

小川公代氏、著者『ケアの倫理とエンパワメント』ではフロイト及びラカンには言及してなったので、何をしゃべるのか注目して聞いていた。ウルフの諸作品と赤毛のアンをケアの観点から話を膨らませて行く。

 

ウルフがハラスメント被害を受けていたとは。翼の折れたエンジェル、サバイバーだったわけか。なるほど。討論の返答で、アウトサイド(ダー)、ホライズン 水平線(展開)がどうとかこうとか言っていて、ウルフの作品名ひとつ挙げていたが、聞き取れなかった。

訂正「言及してなった」→「言及してなかった」
勿論、ウルフ諸作品も赤毛のアンも未読。圧倒的な読書量の不足を痛感している。赤毛のアンは昔、アニメ映画『赤毛のアンーグリーンゲーブルへの道』を立川の映画館で鑑賞したことがある。

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女は不死である  立木康介

立木康介氏の『女は不死である』、日本語なので字づらはなぞれるけど、難解。ファルス、ペニス、去勢‥俺はとんでもない話に付き合っているのではないか?チンプンカンプンハイになったまま読み進めた。あの関数全く理解してない。実はⅡ各論のマルグリット・デュラスまでしか読めていない。

 

それにしても、フロイトラカンのテキストを一冊も読んでいないのが致命的だな。そもそも僕は心理学にあまり興味がない。心理学に興味がある人に興味がある。

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